平成23年 第4回定例会 教育福祉常任委員会 不採択-12月01日−04号
(市議会HPより以下転載)次に、平成23年請願第9号を議題とし、関係理事者から所見を聴取し、質疑を行った。
◎※学校教育部長 (所見)
請願第9号「市立小学校の修学旅行先について」教育委員会の所見を述べさせていただきます。
この請願の願意は、「栃木県日光市から非汚染地域へ、修学旅行先を変更すること」を求めたものでございます。
小学校の修学旅行等の宿泊をともなう校外行事の実施につきましては、横須賀市立小学校及び中学校の管理運営に関する規則第8条の規定に基づき、学校が計画し、学校から提出された校外行事実施承認願を教育委員会が承認することとなっております。
これまで、本市を含めて県内の小学校では、日光市を旅行先として長年修学旅行を実施してまいりました。日光市は、宿泊を伴う行事を実施するにあたり、移動距離も小学生にとっては適した距離と考えられます。
さらに、歴史・文化遺産と自然に満ち溢れており、小学校6年生がこれまで学習したことをさらに深めていくことができ、修学旅行先として最適な学習環境を持ち備えたところです。
日光市では、現在、すべての学校が何ら制限もなく通常通りの教育活動が行われています。また、日光市は、4月に観光安全宣言を発令し、毎日、市内各所で行われる検査をもとに、現在も観光安全宣言を継続しており、現段階では、修学旅行先を日光市とすることに支障はないと判断しております。このような状況の中、ご指摘にあるような理由で行き先を変更することは、さらなる風評被害を起こす等、様々な問題が生じることが想定されます。
従いまして、現在の状況では、日光市を修学旅行先とした校外行事を承認しないということは考えておりませんが、今後、安全宣言が取り消されたり、日光市への旅行制限が発令されたりするなどの状況が生じれば、この限りではございません。
○青木秀介委員長
これより質疑に入ります。御質疑のあります委員は御発言をどうぞ。
◆伊藤順一委員
何点かお聞きしますが、日光に向かっての修学旅行というのは、学校の校長が計画して行うということでありますけれども、横須賀市のすべての小学校が日光に修学旅行に行っているのですよね。
◎※教育指導課長
はい、そのとおり全小学校が行っております。◆伊藤順一委員
平成23年は、いつ行かれたのですか。
◎※教育指導課長
今年度につきましては、9月29日から10月12日の間に、大体5校から6校ずつグループを組んで行っております。◆伊藤順一委員
それで、先ほどの所見の中では、日光市では現在すべての学校が何らかの制限もなく通常どおり教育活動を行っていると。これはいつ確認したのですか。
◎※教育指導課長
再度、おととい確認しております。
◆伊藤順一委員
日光に修学旅行というのは考えものだという風評被害というのは、関東地域において、現在あるのですか。
◎※学校教育部長
今年度、日光に行く学校は神奈川県内の中では、早いところは5月ぐらいから行き始めているところがありまして、3月11日の震災の影響の中で、一部の地域で日光への修学旅行先を見合わせたというところは聞いておりますけれども、それは放射線量というよりは、むしろ地震等へのまだ収束感が持てない中での判断だと考えております。◆藤野英明委員
それでは、請願そのものについて、それから教育委員会の所見について伺ってまいります。
まず、請願について事実関係の確認をします。
請願の中で指摘がなされている、文部科学省が行った航空機放射線測定で高濃度汚染が判明したという記述がありますが、この点について事実関係を確認されましたか。
◎※教育指導課長
確認しておりますが、これにつきましては、現在、日光市のほうでは、その値が0.1から0.2の間というふうな形で確認しております。◆藤野英明委員
現在確認をしたとのことなのですが、その相手先というのはどちらでしょうか。これは文部科学省による調査ということですが、文部科学省に対して確認をしたのでしょうか、それとも日光市に確認をしたのでしょうか。
◎※教育指導課長
これは文部科学省の、9月12日において発信していますホームページで確認しております。◆藤野英明委員
確認という言葉の両者の共通認識を持ちたいのですが、僕が申し上げたのは、実は議員あてに対しては資料が添付されていて、文部科学省の測定マップが付されている。課長がごらんになったのも多分このホームページの記述かと思うのですが、この内容について文部科学省の担当者らに、これは実際にこのとおりの汚染状況なのですかということを口頭なり文書なりで確認をしたかという意味で伺いました。
◎※教育指導課長
それについては、しておりません。◆藤野英明委員
それは、なぜ確認をしておられないのでしょうか。
◎※教育指導課長
これにつきましては、さまざまな情報が発信されていると考えまして、9月12日付の文書で確認したというところで、問い合わせはしないままでございます。◆藤野英明委員
先日の市長への一般質問で申し上げたのですが、やはり
議会に議員から質疑が出る、あるいは請願、陳情という形で市民の方から問題提起がなされた場合は、可能な限りその思いに寄り添って調査を行って、その上で所見、答弁等をできれば出していただきたい。この日光の汚染についてのマップを見る限り、僕も汚染されているように感じるのです。
同じものを見ていたのですが、
僕は汚染されていると感じるけれども、課長はそうではないと判断した根拠というのはどこにあるのでしょうか。
◎※教育指導課長
これにつきましては、私のほうで確認した9月12日付の文部科学省がホームページで出しております文書をもう一度確認していく中で、その中でそれぞれのモニタリングの測定結果が色で分けられているというような地図が出ております。その中で日光市がそのモニタリングの中では0.1から0.2マイクロシーベルトのところ、高さ1メートルのところの空間線量率がそのようになっていましたので、その部分で確認していったということです。◆藤野英明委員
続いて、やはり請願者から出されている資料について少し確認をしたいことがあります。まず、請願者から出されている資料というのは議員あてには配付されているのですが、教育委員会には届いているのでしょうか。確認させてください。
◎※学校教育部長
先ほど委員がお持ちの資料については、いただいております。
◆藤野英明委員
それでは、同じ資料をもとに質疑ができると思いますので伺います。
こちらのマップがついているほうの資料の最下段に、このような文章があります。「また、同市は」これは日光市のことをさしているのですが、「年間被曝線量が1から20ミリシーベルトに上るため、国が財政負担をして除染を支援する汚染状況重点調査地域に該当し、指定される予定です」と。これは新聞報道を引用しておられるのですが、この汚染状況重点調査地域に該当し、指定される予定かどうかというのは確認されたでしょうか。
◎※教育指導課長
これにつきましては、日光市のほうに確認をいたしました。
それについては、そのようなことはないというようなお返事をいただいております。◆藤野英明委員
続いて、今年度の状況について伺いたいと思います。請願の文書に基づいて伺います。
請願の中に、今年度修学旅行に対する不安を払拭しきれずに不参加にせざるを得なかったという記述がありますが、実際に不参加にされた児童・生徒、保護者の方がおられたことや、その声を教育委員会は把握しておられますか。◎※教育指導課長
これにつきましては、直接学校のほうに確認いたしました。その中では、残念ながら3名、この放射線量のことが原因で不参加となっていることは確認しております。◆藤野英明委員
僕も実際に不参加とせざるを得なかった方のお話を伺いました。また、参加をしていたけれども、非常に不安だったという方のお話を伺いました。その声を聞いて、学校側やあるいは教育委員会側はどのような印象をお持ちになったか、どのような感想を持ったか教えてください。
◎※教育指導課長
学校としては、さまざまな保護者の方それから児童本人が不安な状況ということは、お話の中でしっかり受けとめているということでしたけれども、それに対して日光市と確認をしたりしながら、そういう不安な状況ができるだけ避けられるような形をとりたいというお話をされていました。また、こちらのほうにも相談が学校からございまして、その中で情報を共有しながら、日光のほうのいろいろな数値とか、そういうものをお伝えしながらお話を差し上げていた状況は、学校からしっかり聞いております。◆藤野英明委員
風評という言葉を教育委員会の示した所見の中でも取り上げておられますが、今年度、実際に行かなかった子どもたちやその保護者の方々、
それから、行ったけれどもとても不安な気持ちで子どもを送り出したという方々、それから、今回請願を出してこられた約50名の方々に対して、今後、教育委員会は安全だと言うならば、その丁寧な御説明や、不安の気持ちに寄り添ってその感情をほぐしていくというか、事実を説明していくとか対応をとっていく予定はありますか。
◎※教育指導課長
安全の数値という数字であらわされるものは、皆さんに安心していただけるような数字を、できるだけお伝えしていきたいとは思っております。ただ、やはり安心という部分は、なかなか数字だけではお伝えし切れないというような状況もあるのかなと感じております。でも、できるだけ子どもたちが、やはり6年生という最後の学年で行う行事を、みんなで参加できるような態勢というものをとっていけるように、さまざまな情報を集めながら、それを確認しながら実施できるようにしていきたいと考えております。◆藤野英明委員
先日の一般質問でも申し上げたのですが、
安全そのものを提供するのは国の責務かと思うのですが、市区町村ができることは安心をお届することだと思うのですね。その際に、可能な限り市民の皆さんの気持ちに寄り添っていただきたいということを繰り返し申し上げてまいりました。ぜひそうした対応は、今後も続けていただきたいと考えています。
先ほども、他の委員の方の質問の中で取り上げられていましたが、
今年度、修学旅行先を変更した他都市の動きというのは僕も調べてみました。部長がおっしゃったのは、震災直後だったこともあって変更した地域もあるというお話でした。ただ、つい最近であっても一部、例えば豊島区のように行き先を変更しているところもあります。こうしたところの動きというのは把握しておられますか。
◎※学校教育部長
私どもでは県内の学校に動きについて把握をしておるところでございます。◆藤野英明委員
そうすると、県内の学校ではこの放射性物質の汚染に関する不安から行き先を変更したところは一切ないということでよろしいですか。
◎※学校教育部長
変更した理由について、放射線であるかどうかというところまで確認はしておりませんけれども、先ほどお答えしたとおり、一部の地域で震災にかかわって変更したということは把握しております。◆藤野英明委員
今、横須賀市教育委員会の取り組みというのは全国に注目されています。それは前日の市長との質疑でも申し上げた、給食1食丸ごとセシウム検査を全国で一番最初に始めた。そのおかげで文部科学省も、今取り組みを変えようとしている。
そんな中で、
修学旅行についても、今多くの地域で同じ問題が動き始めているのです。横須賀市の教育委員会の動きというのは本当に注目されている。そのときに、やはり他地域の動きというのも、情報交換していただいたりするのが、より安心をお届することにつながる一つの策だと思うのですが、その点はどうお考えですか。
◎※学校教育部長
私どもは日光市とはかなり頻繁にやりとりをしておりまして、あるいは日光市のホームページを見ていますと、毎日のように日光市内での空間放射線量の測定がなされたものがコンピューター上で公開されております。それから、修学旅行先で恐らく子どもたちがよく行くであろう戦場ヶ原、小田代ヶ原等の線量についても、測定した結果が日光市のほうの測定結果として載っかっている部分がございます。その辺の数値については、十分注意深く推移を見ながら検討しているところでございす。◆藤野英明委員
給食のときは相手先というか、仮にセシウム検査を行ったとしても、相手先というのは政府であったり、その先には農家の方々もおられるわけですが、対策が取りやすかったのだと思います。ただ、日光市と具体的に名前が挙がっていて、その町では子どもたちが日常生活を普通に送っていて、そこで横須賀市だけ旅行先を変えれば、既に現地では一部いじめが起こっているというような話も聞いたことがあります。汚染地域だということをあげつらうようなインターネット上の書き込みも読んだことがあります。
ただ、
その町の経済活動や子どもたちの生活とまた切り離して、安心という意味で保護者の気持ちに寄りそうこと自体は必要なことだと思うのです。ですから、日光市さんとのやりとりというのは当然必要だと思うのですが、ほかの地域のほかの学校の動向などを把握するというのも、今、全国に注目されている横須賀市教育委員会だからこそ必要かと思うのですが、いかがでしょうか。
◎※学校教育部長
先ほど他県、豊島区の例を用いられましたけれども、県内の横浜、川崎等とは情報交換をしておるところでございます。◆藤野英明委員
本当に教育委員会の取り組みには常に注目をしていて、高い評価もしているのですが、教育委員会が今回この請願に対して所見を出すに当たって、市民安全部などに相談や助言は求めていますか。
◎※学校教育部長
これは、修学旅行先ということですので、教育委員会のほうで判断をさせていただきました。
◆藤野英明委員
通常の請願・陳情については、そのような対応でよろしいかと思うのですが、やはりこれも一般質問で申し上げたことなのですが、初めての事態が今起こっているということで、風評被害の話なども含めて、いろいろな部署で連携をしてほしいということを申し上げました。市民安全部は当然、その不安に寄りそうという対策も考えておられると思いますし、教育委員会もぜひいろいろな側面でアドバイスを求めていただきたいなと思っております。その点はいかがでしょうか。
◎※学校教育部長
保護者の方への安心感を与えるという意味では、先ほど日光のほうで確認している数値等を、こういう状況ですということを広くお知らせしながら、そういうことを周知していくことは必要かと思いますし、また今、委員から御指摘いただきましたような他部局との連携も、今後も深めていきたいと思います。
◆藤野英明委員
最後の質問になりますが、これも事実関係を確認したいのですけれども、横須賀市立小学校及び中学校の管理運営に関する規則第8条について確認をします。
各学校が、行き先を変更したいと校外行事実施承認願いを教育委員会に提出した場合、その各学校の判断について、教育委員会はそれを尊重するということでよろしいでしょうか。
◎※教育指導課長
さまざまな行事についての基準がございますので、それにのっとって判断し、安全を確認しながらということで、学校から出てきたものを承認していくというような形をとっております。◆長谷川昇委員
今回、修学旅行先の請願ということで提出をしていただいたわけでありますが、疑問として、議会でこの内容を行うべきことなのかなということが1点あります。
というのは、
学校の中での教育課程上のことだと私は思っているわけなのですが、基本的に修学旅行については教育課程上の話ということで、位置づけとしてはよろしいでしょうか。
◎※教育指導課長
そのとおりでございます。◆長谷川昇委員
今までの通例として、教育課程上のことについては学校長が責任を持って学校で判断していくということが、やはり一番肝要なところだと思っておりますし、それを議会が請願という形の中で判断をして、ここに行けとか、行くなとかいう話にはならないだろう。
あるとすれば教育委員会からの指導だと思っておりますが、その辺の所感としてはいかがでしょうか。
◎※教育長
この管理運営規則にございますように、修学旅行は大事な教育課程の位置づけの中にございまして、基本的に学校長、学校が計画し実施すると。しかしながら、こういった承認願い、変更などいろいろな事情があった場合に、相談があったりいろいろございますので、そういったときには教育委員会として適切な、さまざまな状況の中で判断していくということになると思いますが、基本的なことは委員がおっしゃられたことで間違いございません。◆長谷川昇委員
そういった意味では、学校の中でさまざまな課題を論議していただいて、また教育委員会も論議しているということであって、この
議会の中でああせいこうせいということは不適当かなと思いますが、意見としてさせていただきます。
◆藤野英明委員
今の長谷川委員の御指摘について、1点申し上げたいことがあるのですが、僕は会派に所属していませんので、無会派ですから議会運営委員会で発言することはできないのですけれども、もし請願について疑義がある場合は、
議会運営委員会で会派の意見として、この請願を常任委員会にかけるべきではないと発言すべきであると僕は考えます。その意味では、今の指摘というのは不適切ではないかと思うのですが。
○青木秀介委員長
長谷川委員は、意見ですよね。
◆長谷川昇委員
意見です。
◆藤野英明委員
では、僕も意見という形で申し上げさせていただきます。
◆井坂新哉委員
まず、所見にもありましたし、今、日光市の状況なんかもホームページで出されていて、私も見せていただきました。毎日測定していて、それでホームページにも公開しているということは、横須賀市よりも進んでいるというか、そういう意味では情報をしっかり出そうという気持ちもあるし、日光市の取り組みとしては、非常に大切な取り組みだなと私は正直感じているのですね。
ただ、状況を見てみますと、横須賀市の測定の仕方、例えば1センチではかるとかというところではなくて、5
0センチと1メートルではかっている。それから、
除染の対象が地上1メートルで1マイクロシーベルトということからすると、横須賀市の基準よりも緩やかというか、国のほうのものに従ってという形なのだと思うのですが、そういう状況なのだと思うのですね。そういうことからすると、やはりそこら辺の基準の違いというのがあるのを見て感じました。
そのときに少し確認しておきたいのは、中学校が1メートルで測定しているのを毎日出してくれているのですよね。それで見ますと、
横須賀市よりもやはり少し放射線量は高いのではないかと私は見たんですけれども、教育委員会としてはどう感じていますか。
◎※学校教育部長
市内の小・中学校の数値については、やはり横須賀市よりも若干高いかなとは思っております。◆井坂新哉委員
私も見せていただいて、中学校が1メートルではかっていて、横須賀市の基準でいうと地上1メートルで0.23マイクロシーベルトの除染の基準からすると、それよりも高いところもあるのですよね。おまけに校庭の中心地ではかっているということで、側溝を丁寧にはかっているというわけではないということからすると、やはりいろいろな基準の違いもあって、もう少し取り組みを細かく行ってもらいたいなという部分と、いい部分ともう少し行ってほしいという部分と両方見て感じたところなのですね。
その中で、この請願のところで1つ、教育委員会はどう考えているのかというのを聞かせてもらいたいのは、この請願の中に
ICRPの国際放射線防護委員会のアララ(アララで)というのだと思うのですけれども、ここの考え方について教育委員会はどういうふうに受けとめておられるのか、そのことを聞きたいのです。
◎※学校教育部長
請願者の本文の中にもできる限り低く保たなければならないと。これはやはり保護者としても、あるいは学校の教員としても、まさにそのとおりではあると思っております。◆井坂新哉委員
私もこの提言というか、この考え方をしっかりと私たちも身につけて、いろいろなことに対処していかなければいけないと思っているのですね。そうしたときに、これは非常に抽象的というのか、わかりにくい表現になっているのですけれども、たまたまいろいろホームページを調べていて、よくテレビにも出てくる武田邦彦教授が、ホームページでこの考え方についてこう述べているのですね。「人間は自然放射線以外の放射線に被曝すると、何がしか健康に被害を受ける。しかし放射線の利用は人間にとってさまざまな利益をもたらすので、被曝限界を定めて、そこまでは我慢しよう」。これが今でいう年間1ミリシーベルトだと思うのですね。それが被曝限界だということだと思うのです。そうすると、
被曝はできるだけ避けるべきだ。だけれども、何か利益があることがあれば、年間1ミリシーベルトまでは我慢しようというのが、この考え方なのですね。
この考え方に基づいて保護者の方に安心感を持ってもらうということを考えたならば、横須賀市よりも若干高い放射線量を示している日光市に行くには、それだけの利益があるのだということを、やはりきちんと説明しなければいけないのではないかと私は思うのですね。
所見の中にはそのことが一つもふれていないので、だから、この考え方をどう受けとめているのか、そのことを学校の校長先生だとか教員の先生方にもどう伝えているのかというところが問われているのではないかなと思うのですけれども、その辺はどうお考えですか。
◎※学校教育部長
このところずっと本市は、小学校の場合は日光を修学旅行先として選んでおります。その選んでいる理由としては、やはり距離的な問題であるとか、あるいは自然環境の問題であるとか、そういった部分を考えたときに、ここが一番小学校の子どもたちにとって、今までの学習を深めて行く中で適切であろうと。単に宿泊をして交友を深めるというだけではない修学旅行の意図を考えたときに、やはりここが適切であろうというふうな思いを持って日光に設定していると考えております。◆井坂新哉委員
今まで日光で、私も実は日光に修学旅行に行ったほうなのでよく記憶もしていますけれども、すごい楽しかったというイメージもありますしね。やはり修学旅行とは、その土地を見ることによってその歴史を感じたり、それこそ校外学習して自分の身につけることがある。だけど、
今回の場合で言えば、やはり放射線量が高いところだということをしっかり受けとめた上で、では、本当にそこでなければいけないのか。その受けるだけの健康の被害と比較して、違うところではだめなのかという検討もやはり必要なのではないかと思うのですね。
そういうのをしっかり検討した中でも、それでもやはり日光市のほうが利益があるのだということがしっかり話されていくことが大事だと思うのです。それが今までなかなかされていなかったのではないかというが私の思いですし、今、教育委員会から出た所見を聞いた限りでは、そこら辺の意識が薄いのではないかと感じたのです。
ですから、もっと学校の中でも、この考え方についてのいろいろな論議というか、浸透するというのか、そこをもう少しきちんと行うことが大事なのではないかなと思うのですけれども、その点どうお考えですか。
◎※学校教育部長
学校のほうでも全く考えていないわけではなく、校長会のほうでも今回の件を受けて、やはり日光へ行くべきなのかどうかということについての検討はなされております。その中でやはり、今言ったような日光におけるメリットということを考えたときに、現段階では日光に行くことのほうが適切であろうという判断をしているというところでございます。◆井坂新哉委員
また、これから来年の修学旅行に向けて、もう少し時間があって、それで学校内でもさまざま論議されるとは思いますし、こうやって保護者からの声も含めて論議されるということは非常に大事なことだと思いますので、今後もよろしくお願いしたいと思います。
○青木秀介委員長
他にないようですので、以上で質疑を終結します。
それでは、請願の取り扱いについて各会派及び無会派委員の御意向をお聞かせ願います。
懇談ではありませんので、マイクのスイッチを入れてから御発言ください。
今回は公明党さんからお願いいたします。
◆岩沢章夫委員
今、所見もいただいて、いろいろ議論もありました。
一番心配している学校現場で、さんざん悩まれて基準をつくられて、こうされたのだということを尊重します。
よって、私はこの請願については
不採択にしたいと思います。
○青木秀介委員長
討論はないですね。
◆岩沢章夫委員
ありません。
◆大野忠之委員
自由民主党としても不採択。討論はなしです。
◆はまのまさひろ委員
私も
公明党さん同様、この所見を尊重しております。その中でも、私は個人的な意見ですけれども、やはり
そこに住まわれている方、そこで学習している児童・生徒がいらっしゃるということを考えると、やはりこういう請願が出てくるのはいかがなものかというような気がします。もっと別のところで議論をしてやるほうがいいのだろうと。これで採択する、不採択するということではなくて、そこに住まわれている方のことを考えないと、こういうのが出てくるのが私はやりきれないですね。これは個人的な意見です。
請願は不採択。
○青木秀介委員長
討論はありませんね。
◆はまのまさひろ委員
ありません。
◆長谷川昇委員
先ほどお話をしましたが、やはり研政としてもこの中身については不採択ということで、
中身がこの場で扱う中身ではないだろうという認識を持っております。討論についてはありません。
◆井坂新哉委員
請願第9号、ほかの皆さんも言われるように非常に悩ましいところもあって、非常に中でも論議をしました。態度としては請願賛成したいと思っています。討論をしたいと思います。
○青木秀介委員長
この場でですか。
◆井坂新哉委員
はい、行います。
◆藤野英明委員
一般質問でもたびたび申し上げてきたことなのですが、
横須賀市の役割としては、安全云々ではなくて安心をお届けすることが求められている責務だと考えています。保護者の方々や請願者の方々の思いに寄り添いたいという意味で、採択という態度を示したいと思います。討論はありません。
◆加藤眞道委員
当該自治体が安全宣言もしているということもありますので、不採択。討論なし。
○青木秀介委員長
各会派御意見が分かれております。1会派1委員の方、採択、他会派の方は不採択ということで、討論ですね。
討論の趣旨はまとめてありますか。
では、そのまま進めさせていただいて、これより討論に入ります。御意見のあります委員は御発言をどうぞ。
◆井坂新哉委員
それでは、請願第9号、小学校の修学旅行先についての請願に賛成の立場から発言をいたします。
この請願は、
小学校の修学旅行先である日光市が、横須賀市よりも放射線量が高く高濃度に汚染されているため、ICRP−−国際放射線防護委員会が提言しているALARA−−社会的経済的な要因を考慮して、合理的に達成できる限り低く保たなければならないという考え方に基づいて、修学旅行先を変更することを求めています。 日光市は4月に観光安全宣言を出し、さらに毎日小・中学校、幼稚園や保育園、市内の各地で放射線量の測定を行い、結果をホームページでも公開しています。また、市民への放射線測定機の貸し出しや除染の方法などを知らせ、市民の被曝を低減するための取り組みをされるなど、本市よりも進んだ対応をとっている点も見受けられます。
しかし、
汚染土などの除染の基準としては国の基準を用いて地上1メートルで毎時1マイクロシーベルトとしており、横須賀市の地上1センチで毎時0.59マイクロシーベルト、地上1メートルで毎時0.23マイクロシーベルトの基準と比べても除染の基準が高い、甘いという状況です。
さらに、小・中学校の放射線量測定は校庭の中心地となっており、側溝などの放射線物質がたまりやすいとされているところの測定については、ホームページ上からは確認できませんでした。また、ホームページ上で公表されている放射線量を見ますと、地上1メートルで比較できる値としては本市よりも高い数値が確認できます。
私は、請願者も述べておりますが、
ICRPが提言しているALARAの考え方に基づいた対応をし、できる限り放射線を受けないように努力することが必要と思いますし、教育委員会としてICRPの提言を重視する姿勢が必要と思います。
この立場に立って考えると、
少なくとも横須賀市よりも放射線量が高い地域に行くわけですから、保護者には放射線を受けるよりも、日光市に行くことにメリットがあることを説明するとともに、日光市には横須賀市の除染の基準に合わせることや、修学旅行で立ち寄る場所の測定を行い、必要があれば除染をするなどのきめ細かな対応を求めることもできると思います。そして、その対応を求めることは、横須賀市のみならず、日光市の子どもたちにとっても放射線の影響を低減することになるわけですから、教育委員会の取り組む姿勢が重要になってきます。
今回の請願についていえば、
修学旅行先は学校が計画し教育委員会が承認するもので、議会の権限の範囲外であること、また、教育委員会の独立性の問題からいっても、議会として意見をつけることに非常に悩みました。しかし、私はあえて賛成することで、教育委員会に修学旅行先を変更する、変更しないということだけでなく、
ICRPの提言をもっと重く受けとめてもらいたいと思いますし、また
修学旅行先を変更しなくて済むように放射線量の低減の取り組みを求めることなど、保護者の不安を受けとめた慎重な検討を促す必要があると考えたからこそ、賛成することにいたしました。
修学旅行先を変更することも視野に入れて、横須賀市の子どもたちそして日光市の子どもたち、全国の子どもたちを被曝から守る取り組みを広げるためにも、教育委員会のさらなる取り組みの強化を求めて、この請願に賛成するものです。
以上で、発言にさせていただきます。
討論終了後、採決の結果、平成23年請願第9号は、賛成少数で不採択とすべきものと決定した。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
H24 横須賀市日光修学旅行実施に伴う視察調査結果